** YANN DURIEUX ** 伝統で化石になりそうなブルゴーニュに新風を吹き込むイヤン・ドリュー

CPVリポート - ** YANN DURIEUX ** 伝統で化石になりそうなブルゴーニュに新風を吹き込むイヤン・ドリュー

** YANN DURIEUX ** 伝統で化石になりそうなブルゴーニュに新風を吹き込むイヤン・ドリュー

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自然派ワイン情報
執筆 : 
ITO 2014-5-14 14:06


イヤンは10年間、プリューレ・ロックで栽培責任者として働いている。今も続いている。伝統で押し潰されそうなブルーゴニュで果敢に新たなブルゴーニュ・スタイルの革新に挑戦しているイヤン・ドュリュー
いい意味でも悪い意味でも膠着して動きようのない伝統のブルゴーニュで、“オヤ、こんなブルゴーニュが?”と多くの人が待っていた新しいスタイルの醸造家が誕生した。

イヤンは33歳、お父さんも醸造家である。しかし、除草剤、殺虫剤、化学肥料を使う普通の造り手。イヤンはそんなワイン造りをしたくなかった。まず、ブルゴーニュの一流畑がどんなものなのか、を知りたかった。人を介してプリューレ・ロックで働くことができた。
当時のロックはフィリップ・パカレが去って3年が過ぎていた。





ロマネ・コンチ
のオーナーでもあるアンリー・フレデリック・ロックが自ら陣頭指揮を執りながら、フィリップ・パカレの後継者としてのニコラ・テスタ-ルを醸造責任者として育てながら頑張っていた時代だ。

フィリップ・パカレは栽培も醸造も責任者としてやれる才能を持ち合わせていた。若手には二つの任務は重すぎる。アンリーは栽培責任者としてこのイヤン・ドリューに目を付けた。真面目な性格、コツコツ黙々と働く姿、研究熱心な姿勢、そして何より強靭な体力が備わっている若者である。
 そして10年の歳月が流れた。イヤン・ドリューは10年間もブルゴーニュの一流中の一流畑の栽培に集中できた。ヴォーヌ・ロマネのクロ・ゴワイヨット、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、クロ・ド・ヴージョなどの一流畑を自分の手で10年間も栽培して学んだ蓄積がある。ある意味、ブルゴーニュのテロワールの栽培に関してはフィリップ・パカレ以上に経験を積んで、細部まで熟知したといってもよい。
 



ブルゴーニュ伝統を蓄積して、次元を超えたブルゴーニュへ!アッセンションへと導くイヤン

 


イヤンはただ闇雲もニュースタイルを狙っている訳ではない。 ブルゴ-ニュの神髄を熟知した上で、この伝統の中でまだ誰も挑戦した事がない死角・分野があることがイヤンには見えている。

 これは自分のような立場の人間しかできないことも解っている。途轍もない挑戦であることも解っている。 でも“自分がやらずして誰がやる?

 10年間、そうそうたる特級畑の栽培を実際に手がけてきて、特級畑の何たるかをわかった人間しかできない発想がある。





イヤンのお祖父さんも栽培家だった。数年前よりお祖父さんのオー・コート・ド・ニュイ地区の畑を引き継いで栽培・醸造をやって来た。勿論、ロック氏の了解を得てプリューレ・ロックの醸造所内を借りてワイン造りも手掛けた。 ロックの葡萄とオー・コート・ド・ニュイ地区の葡萄を比較しながら醸造できた。
イヤンの目指すワインは“限りなくピュアなワイン”

ピュアである為には、綺麗な酸、ミネラル、果実味、この3つのバランスが必要だ。イヤンが栽培を手がけているロックの特級畑が正にこの三者のバランスが傑出しているクリマを備えている。その何たるかを熟知している。
 



限りなくピュアーなワインへの探究!

 

 

イヤンプリューレ・ロックでの10年間のミレジムの栽培に適応してきた。

強烈な太陽の年、強烈な湿気の年、結実が長期間に渡った年、生育が極端に早かった年、色んなミレジムでも栽培の対応次第で十分にバランスの取れた 葡萄を収穫して、酸、ミネラル、果実味の三者のバランスのあるワインを造りあげてきた。





イヤンは挑戦した。オー・コート・ドニュイの畑で栽培の工夫でどこまでのレベルのバランスが造りあげられるか?
オー・コート・ドニュイは標高が400mと高い。酸は確保できる。土壌は基本的に粘土石灰質土壌、粘土質の土の部分の深さが違う。元海底であったロッシュ・メール(海の岩)と呼ばれる石灰岩盤がどの深さに位置するかでミネラル感の表現が微妙に違ってくる。
 この三年間は特級畑の栽培とオー・コート・ドニュイの畑の栽培を同時にこなしてきた。そしてそこから収穫した葡萄をプリューレ・ロック醸造所の一角を借りて醸造した。偉大なる“気づき”がそこにあった。
ブルゴーニュの等級畑はワイン法で決められた絶対的なものだ。イヤンはそれに異論を挟むつもりは全くない。
 しかし、特級畑に見合う栽培をされたことがない未知の畑がまだブルゴーニュの至る所に存在している。
イヤンは経験上でほぼ確信している。
 


早朝から夜まで心身ともにブルゴーニュの畑仕事に明け暮れるイヤン

 

 


この3年間、特に昨年は早朝から深夜まで畑仕事に明け暮れた。寸暇を惜しんで働いた。

家に帰って寝て、早朝に起きて自分の畑を耕して、日中はプリューレ・ロックの畑を耕し、また夜は自分の畑を耕した。フランスは春から夏は夜10時まで明るい。日の出入りと共に働いた。いや今も続いている。ここまでブルゴーニュの土壌に心身が解けるまで浸かった人間しか見えない事がある。







ここ3年間でイヤンオー・コート・ド・ニュイの畑で栽培し醸したワイン達が世界中のブルゴーニュ・ファンを震撼・感動させた。真っ直ぐで、ピュアーで、エレガントの評価が多かった。まさに酸、ミネラル、果実味の微妙なポイントのバランス感覚だ。ロックとも違う、パカレとも違うポイントのバランスだ。もうイヤン流のスタイルが出来上がっている。

イヤンは決意した。正式に醸造元を立ち上げた。
その名前はRECRUE DES SENSルクリュ・デ・サンス
13年は醸造所付きの家を買い入れて大きな投資をした。今は醸造、熟成、瓶詰まですべて自前の醸造所でできるようになった。

そして13年はMOREY ST DENIS モーレイ・サンドニGEVREY CHAMBERTAIN ジブリー・シャンベルタン村の90歳級の古木の畑を借りることができた。これはイヤンにとっては清水の舞台から飛び降りるような賭けだった。ブルゴーニュのこの種の畑の賃借は膨大なお金が必要だった。ゼロから始めたイヤンにとってはリスクが大きかった。
 


ブルゴーニュの等級格付けでは語り尽くせないワインが次々登場するだろう!

 

 


13年は12HL/Hしか収穫できなかった。狙った半分の収穫量だった。 でもその分、品質は狙った以上のピュアーで、ミネラリーで、フィネスを備えた高品質なワインが出来上がった。 まさに、プリューレ・ロックの特級と比較しても劣らない上品な一流のブルゴーニュ・ピノに仕上がった。

更に、イヤンは今まですべてのキューヴが極小な数量だったのを反省して、ペルナン・ヴェルジェレス山とコルトン山の見えるサヴィニー・レ・ボーヌ村に1区画2Hタールとまとまっている畑を借り入れた。

もう一つ、同じく2Hの区画、ニュイ・サンジョルジュ・一級畑の丘の上、オー・コート・ド・ニュイ地区、標高400Mの畑をも借り入れた。 その一部はその昔、自分の尊敬するお祖父さんが森を切り開いて造った畑だった。

 

 

今、イヤン・ド・リューから目が離せない!

 

14年は一挙に4ヘクタールの畑が増える事になる。
 サヴィニー・レ・ボーヌ村の区画は粘土質の層が厚く1メートルから2メートル下に石灰岩盤がある土壌。肉付きのあるピノ・ノワールが収穫されるだろう。
標高400Mのオー・コート・ド・ニュイの畑は殆ど粘土質の層がない、石灰岩盤が表面に露出している土壌。
ミネラルで、酸も残せる葡萄が収穫されるだろう。

10年間のロックの経験を活かして、可能な限りのピュアーさを追求した二つのニュースタイルの次元を超えたブルゴーニュを造りあげることにパッションを燃やしている。
ランクリュに匹敵する栽培の手間暇をこの二つの区画で実行して、特級畑に負けないバランスの取れたピノを収穫することにすべてをかけている。ブルゴーニュの等級の格付けだけでは語れない次元のワインを次々と生み出すだろう。もう戦いは始まっている。

すべてのイヤン・ドリュウのファンが待ち焦がれたある程度の数量もあって、本当にピュアなブルゴーニュ・テロワールが表現されたワインがリーズナブルな価格で売りに出されるのもそんなに遠くはない。15年の今頃には売りに出されることになるだろう。
今、イヤン・ドリューから目が離せない



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